GPIFの運用に学ぶ(2)

今年度第2四半期は2.97%のプラス

今回のプレスリリースは4半期ごとに定例で公開される運用成績に関するもの。
今年度第2四半期(7月~9月)は世界的な株高にも支えられて2.97%のプラス。
さらっと「2.97%のプラス」と言ってしまえばそれまでですが、金額にすると約4.4兆円の利益。このうち利子や配当による収入が約5,700億円。
ちなみに、福岡市の一般会計と特別会計を併せた予算規模がだいたい1.6兆円。
わが久留米市の財政規模が約2,100億円なので、GPIFがいかに莫大な資産を運用しているかということがお分かりいただけるでしょう。

 

いわゆる「リスク資産」も保有

また、GPIFの資産内容を見てみると次の通り。

運用資産別の構成割合(年金積立金全体)

 

「我々の大切な年金原資で株なんかを買ってけしからん!」と言われる向きもあるかと思います。実際に、過去の実績を振り返ってみるとリーマンショックが起こった2008年度(平成20年度)は9.4兆円ものマイナスとなり国会議員の先生やマスコミがときの内閣や厚労省を激しく批判していたのをご記憶の方もいらっしゃるのでは。

しかし、GPIFは自主運用を開始した2001年度(平成13年度)から今年9月末までの16年半でトータルすると63兆円もの利益を上げています。

1998年(平成10年)に始まった、いわゆる「ゼロ金利」政策を背景とした超低金利時代、ITバブルの崩壊やリーマンショックという経済危機に瀕しながらもGPIFは平均で年率3.2%という運用実績を上げているのです。